日本の超富裕層が次々に米国移住するワケ
世界では、相続税がない国も珍しくない。オーストラリアやスウェーデンなど相続税を廃止する国も続出している。日本と外国の税負担の差は開く一方で、富裕層は、相続税などがかからないオフショア(国外)への資産フライト(資産逃避)を、自衛策として進めてきた。その一方で税務当局は、次々と封じ手を打っている。
米国には現在、相続税があるが、その最高税率は40%。基礎控除も543万米ドル(約6億円)あって、実際の税負担は日本よりもはるかに軽い。米国は富裕層を優遇する国で、「チャリタブル信託を設定し、公益事業に一定期間寄付した後なら、信託財産を破格値で相続できるといった抜け道が、いくつもあるのです」(奥村さん)。
あまり知られていないが、実は米国こそ「元祖タックスヘイブン」なのだ。米国は州によっても税制が異なり、国内タックスヘイブンとして有名な東部のデラウェア州は、企業を誘致するため、法人を簡単に設立できるようにし、税も格安にしている。
移住先として、米国に次いでおすすめなのがニュージーランド(NZ)。「相続税がないので、世界各国から富裕層が集まっていて、09年にはベネッセ2代目の福武總一郎さんも移住しています」(山田さん)。そのほか、映画監督のジェームズ・キャメロン氏、投資家のジュリアン・ロバートソン氏、最近では米国ペイパル創業者のピーター・ティール氏などもNZの住民となっている。日本と時差が少なく、気候も似ている。不動産価格や物価も香港やシンガポールより安いのが魅力だ。
第3位はシンガポール。「やはり相続税がなく、富裕層に以前から根強い人気があります」(奥村さん)。多民族国家で、多くの日本人が住んでいる。日本と近く、行き来しやすいのも利点。経済成長が著しく、将来性も高い。
日本は公務員が楽して暮らせるように官僚が作ってきた。
ただこれでは石油が買えない国になり、国は衰退あるのみである。
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